作業療法士ってどんな仕事?

作業療法士

こんにちは!作業療法士の「しか」です。

この記事ではこれから作業療法士を目指したり、なんとなく興味がある・気になるといった方々に作業療法士とはどんな職業なのかを簡単に説明させていただきます。

この記事を見てくださっている方の中には

  • 作業療法士って聞いたことはあるけどどんな仕事なの?
  • リハビリの仕事って聞いたけど具体的に何してるの?
  • 理学療法士とどう違うの?

といった疑問を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本当に簡単に説明すると作業療法士は「身の回りの色んな動作のリハビリを行う仕事」と言えると思います。

では、見ていきましょう。

作業療法士ってこんな仕事

「作業」とは

作業療法士(occupational therapist:OT)は身の回りの色んな動作のリハビリを行う仕事と説明しました。

まず、そもそも作業ってなに?

という話ですが、作業とは自分の生活に関わるもの全てです。

食事をする、トイレで用を足す、買い物をする、本を読む、バスに乗る…

物をつかむ、階段を登る、背中を掻く…

全てが作業になります。

作業療法士はそんな作業を手段としてリハビリをする仕事です。

対象者に合わせた目標

リハビリをしてくにあたってまずは目標を立ます。

例えば、障害を負って身体が思うように動かせなくなった人に対して、

  • 介助者の手を借りずに自分一人でベッドから車椅子に移れるようになる
  • 日課だった毎朝のご飯作りをもう一度できるようになる
  • 近所のスーパーに行って買い物ができるようになる

など、ひとりひとりに合わせた目標を達成するためにリハビリを行なっていきます。

もちろん、重度の障害を負った人にいきなり料理の練習をしていくというわけではありません。

その人の状態に合わせてまずは座る練習や、手を動かす練習から始めるなど段階を踏んで進めていきます。

そうして患者さんが生活に復帰できるよう、一緒にリハビリを行なっていきます。

どんな場所で働いているの?

作業療法士は医療、福祉、行政など様々な領域で働いています。

具体的にはからだの障害を対象とする身体障害領域、こころの障害を対象とする精神障害領域、子供の発達期の障害を対象とする発達障害領域、高齢者を対象とする老年期障害領域などがあります。

働いている職場として多いのは病院や施設などです。

対象者の自宅に訪問してリハビリを行ったりもします。

他にも、社会福祉協議会や市役所・町役場などの行政や、企業で活躍している作業療法士もいます。

また、大学や専門学校などで教員を務めたり、研究をしている作業療法士もいます。

作業療法士の活躍の場は病院や対象者の自宅、行政機関など非常に多岐に渡る。

作業療法士と理学療法士の違いは?

同じリハビリ職だが…

最初にも書きましたがこんな疑問を持っている方はいませんか?

「作業療法士」と「理学療法士」ってどう違うの?

リハビリの職種は作業療法士の他に理学療法士、言語聴覚士の3つです。

その中でも特に作業療法士と理学療法士は同じリハビリの仕事なのに何が違うのか、と疑問に思われることも多いです。

実際に患者さんにも聞かれたこともあります。

法律で定められている

少し難しい話になりますが、作業療法士は『理学療法士及び作業療法士法』でこのように定められています。

この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。

厚生労働省HPより

一方、理学療法士はこのように定められています。

この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

厚生労働省HPより

難しいので簡単にまとめてみました。

この表をご覧ください。

対象手段目的
作業療法身体や精神に障害がある人作業や日常生活動作の練習など食事やトイレ、仕事などの身の回りの動作ができるようになる
理学療法身体に障害がある人運動や物理療法(電気刺激や温熱など)立つ、歩くなどの基本的な動作ができるようになる

大きな違いは作業療法士が応用的動作(食事やトイレなどの身の回りの動作)や職業関連の動作練習を行うのに対して、

理学療法士は基本的動作(起き上がる、座る、歩くなど)の練習を行う点にあるかと思います。

お互いに役割があり足りない部分を補い合う

以上のように作業療法士と理学療法士はそれぞれ役割が分かれています。

そこで大事なのはそれぞれが足りない部分を補い合っているという点です。

基本的な動作をすっ飛ばして応用的動作はできませんし、基本だけできていも退院して生活していくためには応用的な動作もできる必要があります。

作業療法士と理学療法士は、同じリハビリの仕事でも役割が異なることでお互いに足りない部分を補い合っていると言える。

しかし、作業療法士だから起き上がる練習や座る練習はしないかと言われるとそうではありません。

むしろベースをしっかり作ってリハビリするためには積極的に実施します。

必要に応じて理学療法士と協力したり分担したりしながらリハビリをしています。

おわりに

ドラマやドキュメンタリー番組で、主人公が杖や松葉杖を使いながら歯を食いしばって懸命に歩くリハビリをしているシーンを見たことがありませんか?

頑張っている主人公の隣で親身にサポートしているスタッフが作業療法士…

…と言いたいところですが、それは理学療法士の可能性が高いです。笑

個人的な認識ですが、一般の方々は「リハビリの仕事」と聞くと理学療法士をイメージする人の方が多いように思います。

医療ドラマなどでも作業療法士が出ているのってあまり見たことないですね。笑

しかし、作業療法士は対象者の日常生活に携わる大事な役割を持っています。

そんな作業療法士の仕事が少しでもみなさんに知ってもらえればいいなと思いでこの記事を書きました。

ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。

他にも作業療法士に関する記事をアップしていきますので、読んでいただければ嬉しいです。

おわり

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